会計検査院によると、昨年3月末時点で、結果を公表している13官民ファンドの半分近い6つのファンドが損失を抱えていた。特に赤字が大きかったのは、中小企業基盤整備機構の55億円、クールジャパン機構の44億円だ。

JICの前身の産業革新機構の業績推移をみても、最後の2年間に当たる2016年度に13億円、2017年度に2200億円の最終利益が出てなんとか帳尻が合ったが、それまでは設立以来の6年度中の5年度で最終赤字を繰り返した。
2017年度の黒字もルネサスエレクトロニクスの業績好転という神風が吹いたのが主因で、関係者の間では本当にラッキーだったと評価されているのが実情だ。

これ以上、杜撰な官民ファンドを放置して良いわけがない。内実は火の車なのに、なけなしの稼ぎに加えて借金までして、ギャンブルで起死回生を狙う家計のようなものだからだ。

財政赤字の日本が、血税に加えて政府保証で借り入れた資金まで、官民ファンドに投入して資金運用をするのは、危険極まりない。官民ファンドは全廃して、財政改革におカネを回した方が、我々の税負担も軽減されるはずである。