「復讐するは我にあり」

黒木和雄、深作欣二、藤田敏八らと競った末に今村昌平が
映画化権を取得。映画は松竹と今村プロダクションの共同製作、
配給は松竹。1979年4月21日に公開された。

1968年の『神々の深き欲望』で各映画賞を受賞して高い評価を
受けたものの、同作の長期間の撮影が災いして今村プロダクションは
およそ2000万円の負債を抱え、以後はテレビのドキュメンタリー
番組を手がけていた。当時、苦境にあった今村昌平にとっては、
起死回生の10年ぶりの新作劇映画である。

キャッチコピーは、「惜しくない 俺の一生こげなもん…」。
同年度キネマ旬報ベストテン1位。第22回ブルーリボン賞ならびに
第3回日本アカデミー賞作品賞受賞作品。配給収入は6億円を記録し、
松竹作品としては盆と正月の『男はつらいよ』2本に次ぐその年の
3位の成績を収めた。本作のヒットで今村プロダクションは
それまでの負債を返済した。