岡本 知高(おかもと ともたか、1976年12月3日 - )は、高知県宿毛市出身のクラシック音楽歌手。ソプラニスタ(男性ソプラノ)。

難病を患って6歳から10歳まで家族と離れ特別支援学校で過ごしたが、姉の弾くピアノに憧れて全快した11歳からピアノを習い始める。
高知県立宿毛高等学校では吹奏楽部所属。もともとサックス奏者志望であったが、レッスンで聞かせた歌声に師から世界的にも珍しいソプラニスタの素質を見出され、師の勧めで国立音楽大学声楽科に入学する。
在学中より音楽コンクールの入賞・優勝を重ね、1998年に「第九」日本初演80周年記念再現リサイタル"蘇る第九!"にソプラノ・ソリストとして抜擢された。
同大学を1999年に卒業直後、パリ市立プーランク音楽院に入学し、2002年首席で修了。帰国する。

2003年11月にCDデビュー。
テレビCMなどで楽曲が使用されるようになりブレーク。
ソプラニスタである高音とそのギャップのある巨漢のキャラクターも注目を集め、『たけしの誰でもピカソ』『うたばん』等のバラエティ番組にも出演した。

またその一方で、ライフワークとして取り組んでいる学校訪問コンサートや、各地の学生らとのステージ共演に力を注ぐなど、音楽教師を目指していたという岡本らしい子供達とのふれあい活動も全国展開している。
その背景にあるのは、“地元宿毛市の豊かな自然の中で天真爛漫に育った幼少時代と、6歳のときに足の病気を患い、親元を離れ養護施設で過ごした4年間の貴重な経験が、現在の岡本知高の礎である”と本人も語っている。

レパートリーは、バロック時代のカストラート作品から宗教曲、オペラ、日本歌曲、クラシカル・クロスオーバー、ミュージカル、ポップスと多岐にわたり、井上陽水らがオリジナル楽曲を提供している。

国内主要オーケストラや様々なアーティストとの共演の他、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団、イギリス室内管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ室内管弦楽団といった海外オーケストラとも共演している。

ゲームソフトドラゴンクエストシリーズを手がける鳥山明の衣装デザインが好きで、それらを参考にしたというオリジナルの衣装を身に纏っている。

これまでに神ア克彦、瀬川武、宇田川貞夫、A.パパジャクに師事。

男性でありながら女性ソプラノの音域を持つ男性ソプラノ歌手「ソプラニスタ」。
多くのソプラニスタやカウンターテノールがファルセット(男性裏声)を用いて技巧的に発声するのに対し、岡本の場合は、男性としての強い筋力と豊かな肺活量を、生まれながらのソプラノヴォイスを通して発揮できるという、世界的にも大変希有な「天性の男性ソプラノ歌手」である。
テノールやバリトンといった一般男性の声は合わせ持っておらず、発声のメカニズムとしては完全に女性ソプラノと同様と考えて良いため、“コントラバスにヴァイオリンの弦が張られている”などと本人は愉快な表現で説明している。

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