>>916
加計学園の獣医学部新設をめぐる騒動が続いているが、すでにあちらこちらで指摘されているとおり、民主党の鳩山政権時代に「特区設置を前向きに検討する」と決定されていた案件であり、基本的には何の違法性もない。むしろ問題があるとすれば、内閣の決定を7年間も無視し続けた文部科学省にあり、それこそ、この問題の本質と言っていい。
では、なぜ彼らは7年間もサボり続けたのか――。同じ国家戦略特区でありながら、2015年11月公募開始で17年春にスピード開校した千葉県成田市の国際医療福祉大学をみれば一目瞭然だ。
国際医療福祉大には現在6人の高級官僚が学長、理事といったポストに天下っており、過去には文科省トップの事務次官経験者も天下っていた実績もある。要するに文科省の大のお得意様であり、省益のために全力を尽くして戦った歴代の先輩方の住まうヴァルハラみたいな大学ということだ。

加計学園に天下りをよしとしない気骨があったのか、それとも文科省のほうが四国の獣医学部ポストなんていらないと思ったのかは、筆者には分からない。ただ、国際医療福祉大のポストに匹敵するだけのものが準備されなかったことが、7年間ほったらかされた理由だろう。

だが、国際医療福祉大には、もう一つの「天下り」問題が隠されている。この大学には、判明しただけで以下の大手メディアの出身者が教授ポストに再就職している。

教授  (元・朝日新聞論説委員) 特任教授(前・朝日新聞社社長) 学部長 (元・読売新聞 医療情報部長) 教授  (元・読売新聞 社会保障部長) 教授  (元・日本経済新聞論説委員)