【野球】急逝から15年 盟友、木村拓也さんへの思い 追悼試合で代打逆転満塁弾の元巨人・谷佳知氏
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「もう、15年ですね」

 谷さんは遠い目をしてつぶやいた。プロ野球界で数少ない「親友」と呼べる存在だった木村さんがこの世を去ってから15年になる。

そんな盟友を悲劇が襲った。現役を引退し1軍の内野守備走塁コーチとして迎えた10年シーズン。4月2日の広島戦(マツダ)の試合前、ノッカーを務めていた木村さんは突然倒れた。ベンチ前でストレッチをしていた谷さんは、騒然としたホームベース付近で起こっていることを、すぐには理解できなかった。救急車が到着するまでの時間が長く長く感じられた。

 病院へと搬送された木村さんは5日後、力尽きた。37歳。くも膜下出血だった。

 倒れた当日も、谷さんは、練習開始前にいつものように木村さんと何げない会話を交わしていた。単身赴任中だった木村さんが朝一番で広島入りして家族と時間を過ごしたこと、散髪に行ってきたこと。「家族と会えたからよかったみたいな話をしてたんです」と振り返る。