「球団は広い本拠地のドームで有利に戦えるよう、単打と走塁に主眼を置いた若手育成プログラムを作り、それを基に指導するよう通達していた。だが中村コーチは長打を狙う“ノリ流”の打撃理論に自信があるため、不満を抱いていたようです。さらにキャンプ中、立浪監督の『石川にしばらく教えるな』という指示を無視して揉めるなど、火種は燻っていました」(同前)

 そして5月に入ってから“決定打”となる出来事が。

「練習中、若手に長打狙いの指導を勝手にしていたことが、育成プログラム作成を主導した仁村徹氏の耳に入り、氏が激怒したのです。昨季まで二軍監督だった仁村氏は、今季から球団の実質ナンバー3の『編成統括』に就任。普段は温厚ですが、あの星野仙一氏が『怒ったら俺より怖い』と評したほど“瞬間湯沸かし器”の一面があり、監督もさすがに庇いきれなかったのが真相です」(前出・球団関係者)