球炎
2日の試合。八回1死一塁の打席だった。エンドランで真ん中付近を空振りし、走った走者は二塁で憤死。直球であり、せめてバットに当ててほしい。それでも、今のチームは一生懸命の失敗を責め立てない。成長のために萎縮させない。うまくいかなかった直後の先発抜てきに、そんな方針が表れた。

 バウアーから全3打席で出塁と大健闘。そしてまた、記録に残らないミスもした。七回2死一塁。一塁走者の韮沢は次打者の右越え二塁打で、本塁を狙えるタイミングだったが、三塁を蹴らず、滑り込んだ。敗戦後、新井監督は言った。「反省するところは反省して。それよりも、いい安打を見せてもらった」

 勝敗には影響する。だが若手の失敗は織り込み済み。うれしさと悔しさをかみしめて、うまくなれ。そんな指導は純真な若ゴイには響くのだろう。走塁ミス直後の七回の守り。韮沢が2度、美技を続けた時、首脳陣はベンチで大喜びした。(五反田康彦)