立浪監督がナインのアップ終了を見計らって室内練習場に現れた。ノックバットを手に取り、打撃練習をしていた鵜飼の元へ歩みを進める。森野打撃コーチを交えて約30分間。指揮官は実演も交えながら和製大砲を指導した。

 指揮官が気になっていたのは空振りの頻度だ。「スイングが人よりあれだけ速くて、あれだけ当たらんっていうのは何かおかしいわけでしょ?(笑)、そうでしょ?(笑)。トップに入ってボールを見るところがない」

 どうしたら良くなるか。考えると「フフッ、フフフッ。笑いが出てきますよ(笑)」。行き着いた先であり、参考になるのは前カードで対戦した巨人・坂本。「速くトップをつくって待てる」から。鵜飼は胸の前で構える。慌ただしくバットを引き、振り出しているように映っていた。ボールを見極められるかどうかも、スイングの形にかかっている。

 ここまで18試合の出場で打率2割3分5厘、2本塁打、7打点の鵜飼は「トップの入り方、もうそれだけです。差されたり泳がされたりするケースが多い。ここまでガッツリ変えたのは初めてです」と話した。