というのも、最近はセイバーメトリクスの普及でいろいろな指標の出現により、目新しさもあってか、時に「この指標はこの部分が見られないから欠陥である」とされることもある。しかし、ここまで打率を例に述べた通り、指標ごと測定できない範囲が大なり小なりあるのは当然である。いうなれば、ほとんど見えなかったものが指標で70見えたとしても、残りの30が見えないからダメだというように、指標単体に完全無欠を求めるのでなく、「この指標はどの部分まで測れ、どの程度まで言及することができる指標か」というのを見極めた上で、単体で見たり、総合的な一部で見たり、測定できない部分は評価しないなどの判断が重要である。それは、今回挙げた打率だけでなく、その他打撃指標、投手指標、守備指標とすべてに当てはまる。そういった意味ではきちんと理解し、見極め、判断することはとても難しいことである。そして、われわれもより深く理解していかなければならない。
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