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辻が日体大のコーチに就任した当初、大貫は右ひじの故障明けで、キャッチボールでようやく15メートルほど投げられるのがやっとの程度だった。
それでも辻は「プロにいける選手」と感じていた。

投球フォームがスムーズで、指先の感覚は天才的。さらに自身の乱れや配球ミスにもすぐに気づくことができる。
そのように投手として大きな素質を秘めていた。

その一方で、自信を持つことができず、弱気なところがあった。そんな大貫を見て、辻はリハビリ組から
一軍に帯同させることを古城隆利監督に進言。会話を重ね、時には「お前はプロになれる」と背中を押した。