江本孟紀

つい数日前まで、2軍で泥まみれになっていた巨人の7番(田中俊)、8番(立岡)に面白いように打ち込まれた。彼らの打席での、異常なまでの緊張感を、阪神ナインも肌で感じたのではないか。

 このチャンスを生かしたい、生かすしか生き残る道はない。彼らは必死だ。阪神が必死でないとは言わない。阪神の選手のレベルは、巨人のレギュラーと比べても遜色はない。
ただ、必死さのレベルで、明らかに巨人の控え選手たちが上回っているのだ。ギラギラしている。
そこに、バナナなんて登場することはあり得ない。厳しく競うチームが巨人なら、阪神は…。あえて言わないでおく。

この敗戦で気付いたことも指摘しておこう。六回ぐらいまでしか投げない相手先発に対して、初球から狙ってもいない球を振って、ポンポン早打ちしたら、相手を助けることになると思わないのだろうか。
八回途中まで田口が投げたのは、巨人ベンチもミスだが、投げさせてしまったのは阪神打線だ。