マニュアルには、「選手、関係者がPCR検査を受けることが決まった段階で実名を公表、NPBと12球団でこれを共有する」と定められている。
26日に藤浪のみ公表されたが、伊藤隼と長坂の情報は翌日に2人の陽性が発表されるまで、NPBや他球団には何ら共有されなかった。

当然ながら、27日のセ・リーグ臨時理事会で阪神は蜂の巣に。
他球団は前日の情報共有の不手際を責めるとともに、「接触者の追跡調査を行わないといけない。残る4人はどうなっているのか」と詰め寄った。
ところが阪神の谷本副社長は「この時点での名前の公表はマニュアルにない」の一点張りで拒否。
一触即発の場面もあったという。

そもそも18日に作成されたマニュアルは、各球団が指示する感染防止策を選手らが順守することを前提に、感染者が出るにしてもごく小人数と想定したもの。
ある球団幹部が「まさかこのご時世に、大人数の外食だかコンパで集団感染なんて」と声を荒げるように、
マニュアルを台無しにする想定外の行動を所属選手が取った阪神が、「マニュアルにない」ことを盾に情報提供を拒むとは笑止千万だ。