剰余金の実体は「会社の資産部」にある
さて、雇用維持のために使うべく「剰余金」を探してみましょう。「剰余金」を貸借対照表で見つけることが出来たように、
この「剰余金」の実体もすぐに貸借対照表から見つけることが出来ます。実は、会社の持つ財産を表す「資産の部」に、
この「剰余金の実体」が潜んでいるのです。仮に、「剰余金」の合計が300であれば、「資産の部」500のうち300が
「剰余金」ということになります。めでたし、めでたし。

……と、そう簡単にはいきません。資産には様々な勘定科目があります。「現金」「預金」の他に、「棚卸資産」「建物」
「土地」「電話加入権」などなどです。これらのうちどこかの合計300が「剰余金の実体」なのです。資産500の内訳
すべてが現金の会社であれば現金300が剰余金と言えますが、現金20、棚卸資産180、建物300で都合500、などという
場合には、「現金と棚卸資産、建物の一部」が剰余金の実体とも言えますし、「建物」のすべてが剰余金の実体とも言えるのです。