シーズンを不本意な成績で終えた球団は、うちは故障者も出たし、戦力が足りなかったなどと、よく言い訳をする。
だが、本当にそうなのだろうか? スカウトが全国で逸材を探し、何度も会議でふるいに掛けられた上で、
ドラフト指名されたものが入ってくるのがプロ野球の世界だ。
すぐに一軍の戦力になれないにしても、キャンプからしっかりと教育すれば、全く使えないということはないはずだ。
要するに、首脳陣の目には、一軍で使うには何かが足りないと見えるのだろう。そして、あいつは物足りない、こいつもまだまだ・・・と
ふるい落としていけば、使える選手が少ない状態になってしまうわけだ。私に言わせれば、どんなチームにも人材はいる。
しかし、どの人材にどういうタイミングでチャンスを与えるかを見極めるのは、容易なことではないし、一定の法則も無い。
だからこそ、首脳陣は、成長したいと頑張っている若手が苦しむ様子をしっかり観察し、抜擢する機会を探らなければならない。

落合博満