吉田風取材ノート 「真実」は宮崎にも届いている
https://www.daily.co.jp/tigers/yoshida/2018/10/12/0011723670.shtml

甲子園で阪神がDeNAに勝利をおさめた同日20時34分を過ぎて間もなく、心を整えたばかりの矢野の頭が真っ白
になる報が届く。金本、辞任−。え?ウソでしょ…。ウソじゃなかった。僕の取材に答えた本社筋は、大切な事実を
盛って散らかす人ではない。「金本監督は自ら『辞める』と申し出たのではなく、肩をたたかれたんです。来季の組閣
にも携わり、『苦しい時だけど、タイガースとタイガースファンの為に一緒に再建してほしい』と頭を下げたコーチ陣
を置き去りにして、全て投げ出してしまうような無責任な辞め方をすると思いますか?」

宮崎にも真実は広まっている。この地で金本と共に鍛錬した仲間達はみんな怒っていた。聞けば広島にいるカープの幹部、
関係者も。「責任を取る」とか「辞めること」に対してではなく、その仕打ちに…である。胃袋に幾つも潰瘍をつくり、
頬が痩せこけていく鉄人を見るのは辛かった。孤独だったと思う。