シーズン中も金本監督は「裸の王様」だった。現役引退後は解説者としてネット裏から野球を見つめ直し、
監督に就任したとはいえコーチ業に就いたことはなく未経験のまま指導者となっていた。

 そういう立ち位置にいたのだから本来ならば経験豊富で有能なコーチ陣を招へいすべきだったにもかかわらず、
「仲良し内閣」と呼ばれるような自分と昵懇(じっこん)の人材で脇を固め、足りない要職はフロントの人脈に頼った。

 今季は一軍ヘッド兼務となっていた片岡篤史打撃コーチや香田勲男投手コーチは、強い結びつきがあり過ぎた
“負の金本ライン”の最たる例と言っていいかもしれない。
ベンチ内で監督に次ぐ重要なポジションにいなければいけないはずの片岡コーチの無策な打撃指導法と
首を傾げたくなるような助言、そして香田投手コーチの不可解な投手起用にもメディアやタイガースOBから
疑問の声が噴出し、ファンは間違いなく怒っていた。