打率・198。決して満足のいく数字ではない。高卒4年目で正捕手を任された。守備に全勢力をつ 
ぎ込む中、攻撃では貢献できなかった。チームが勝てなければ、スタンドからの厳しい視線にさらさ 
れた。心ないヤジも飛んだ。たまる一方のストレス。「この車をぶっ壊したい」とマイカーを前に怒 
りをこらえた日もあった。 

それでもあきらめなかった。福良監督の助言をきっかけに打撃フォームを改造。ようやく報われた。 
「これからもっと打てるように頑張ります」。21歳はさらに前を向いた。