突然だが、ナゴヤドームは嫌いである。カープファンなら、うなずく人もいるだろう。
ここで野球を見ていると、常に追い詰められているような気持ちになる。
最後まで勝てる確信が持てないのだ。それもそのはず、
同球場では過去5年で13勝39敗3分け。悔しい思い出の宝庫である。
負け続ける中で、中日には大切なことを学んだ。それは、広い球場を本拠地とするチームの進むべき道である。
攻撃力より、投手力と守備力に軸を置いたチームづくり。長打より機動力。
相手のすきを見逃さないずるさを身に付ける…。新球場へ移る広島にとって、憎き中日は「お手本」といえるチームだった。
それがどうだろう。この日広島が見せた野球は、かつての中日の野球である。
逆に、ミスから自滅した中日はかつての広島の姿。時の移ろいの早さを感じざるを得なかった。
広島は発展途上だが、今の中日に苦手意識を持つ必要はない。
高い授業料は十分に払った。さあ、回収の時である。(小西晶)
http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/2009/Cs200905050594.html