新人ながら、正捕手の座をほぼ手中にした。今や、全幅の信頼を置かれている。実戦で、全捕手がラミレス監督から配球のサインを出されていた。だが戸柱は「途中からほとんど出なくなりましたね」と明かす。

ラミレス監督も「彼に対しては早い段階でベンチからサインを出していない。適応するスピードが速い。いいキャッチング、リードをしてもらっていると思います」

 戸柱は言う「監督はプロで長く現役をやった方。サインを出していただくことをプラスに捉えました。自分の中に引き出しができた感じです」
「捕手にIQはいらない」とさえ語っていたラミレス監督を、実戦でのリードで納得させた。

 キャンプから、積極的に動く姿が目についた。ブルペンではさまざまな投手の球を受けることで球質を分析。さらに会話を重ねて球種や決め球などの理解を深めた。
経験が必要なポジション。先輩捕手との間にあるハンディは、持ち前のコミュニケーション力で埋めていった。

 「監督からはキャッチングとスローイング、ボールを止めることをできるようにと言われました。打者としても打席に立つ。守りも打撃もどちらもおろそかにしていません」。