3つ目は輸出を含む母国事業での営業利益だ。前の期には869億円を計上していたが、これがわずか1000万円へと
水面下すれすれにまで激減。「N―BOX」をはじめとした軽自動車は堅調なものの、利幅の大きい登録車にヒット車種がなく、
国内で思うように利益を上げられていない実情を浮き彫りにした。

 そして最後が20年3月期の四輪車販売計画だ。世界で516万台と19年3月期の532万台を下回る見通しを打ち出したもので、
自動車業界では「異例」(関係者)ともいえるマイナス計画。想定通りにとどまれば12年3月期以来、8年ぶりの前期実績割れとなる。

 ホンダはかつて世界販売600万台の目標を掲げて拡大路線をひた走った。効率悪化でそれが破綻したのは15年。以来、生産拠点再編
など縮小化へとカジを切るが、市場では「その先にどんな未来図を描いているのか、まるで見えてこない」との声がしきりだ。