焦点:仏ルノー、日産業績悪化の機をとらえて統合へ布石か
https://jp.reuters.com/article/renault-nissan-analysis-idJPKCN1SM025

[パリ/東京 14日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)は14日、2019年3月期利益が大きく減少したと発表するとともに、今期はさらに減益になるとの見通しを示した。

この機をとらえて仏ルノー(RENA.PA)は、日産との経営統合に向けた布石の1つとして、日産の西川広人社長が主導する現経営体制にくさびを打ち込もうとひそかに働き掛けている。
両社の複数の関係者が明らかにした。

今年1月にカルロス・ゴーン被告の後任としてルノーの新会長に就任したジャンドミニク・スナール氏の目からすると、事態を進める上で西川氏の存在が邪魔になる、と何人かの
関係者はロイターに語った。

西川氏はルノーとの統合を拒否しているものの、業績不振が鮮明になった以上、統合を迫る圧力が増すのは間違いない。西川氏に近いある幹部は「ルノーは日産の業績悪化を
利用して統合交渉に臨むよう求め続けるだろう。既に彼らは本日、そうした動きを再開した」と打ち明けた。

統合問題は、早ければ15日に開かれる日産取締役の会合で話題になるかもしれない。この会合は20日の正式な取締役会に向けた予備的な話し合いだ。

<負の遺産>

ゴーン被告が最終的にルノーを去った後、スナール氏は日産との緊張を和らげることに成功し、取締役会のポストを1つ確保するとともに、スナール氏が取り仕切る新たな
監視委員会を立ち上げた。

ただ先月になって、ルノーが推進する経営統合案が日本のメディアで報じられると、両社の関係は再びきしみが生じた。

その後ルノー筋も内容を認めたこの提案では、両社はパリと東京に上場する新持ち株会社の傘下に収まり、実質的に株式持ち合いは解消される。今はルノーが日産株43.4%、
日産がルノー株15%をそれぞれ保有するものの、双方の持ち分の価値はずっと市場に過小評価されている。