野球漫画「マー君」
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〜小学校編〜
田中将大小学1年生
近くの練習していた野球チームの練習を眺める
将大「野球楽しそうやな〜」
コーチ「なんやあの子、野球興味あるんかな?君!ちょっとこっち来てやってみるか?」
将大「え?いいんですか?」
コーチ「ほれバット持ってみ!そこ立って構える。おー良い感じだ。投げてみるから打ってみろ」
シュッ!…カーン
初めての打撃見事にとらえる
コーチはこの子は才能があるなと確信する
坂本「将大すげーな」 この日から昆陽里タイガースの一員として野球を始める
俊敏性は高くないがパワーがあり肩も強かったことからキャッチャーになる
同学年だけの大会では常に4番キャッチャーを務める
4年生からレギュラーになる
5年生からはガキ大将坂本勇人とバッテリーを組み地区では有名な存在になる 坂本「練習だりーな雨降らないかな〜」
練習嫌いだがセンスに溢れるキャプテン坂本と真面目で練習熱心な将大はバッテリーを組むが
苦手なタイプであった
2人は地区の選抜チームに選ばれそこでも活躍する
走攻守三拍子揃った坂本と
強肩強打の捕手田中将大は強豪チームから誘いを受ける 逃げ帰ったきたマークソw
石井が嫌いでファンをやめた奴どうすんの? 〜中学編〜
坂本とは同じ中学だが将大はボーイズリーグ、坂本はシニアリーグと違うリーグのチームに所属する
伊丹ボーイズでは将大はコーチから肩の強さとキャッチャーとしては俊敏性が足りないのではないかとのことでピッチャーとしても練習をする
2年からレギュラーに座るがその時はキャッチャー 伊丹ボーイズは強豪チームだ
兵庫県大会を勝ち上がり決勝
将大「これに勝てば全国だ」
4番キャッチャーでスタメン
相手の投手が投球練習を始める
シュッ!ズババババーン!!!
ん!?なんて凄いボールだ
前田健太「決勝だから本気でいくぜ」
前田の前に手も足も出ない将大
試合は負けてしまう
将大「来年こそリベンジだ」 3年生になりピッチャーとキャッチャー半々ぐらいで試合に出る
打順は常に4番強打が売りの将大
今年も順調に県大会決勝まで勝ち上がる
そして相手はまたも前田健太
この頃関西では前田健太が1番の選手と言われていた
前田「4番田中は要注意だな」
将大も警戒される存在ではあったが前田健太の前にまたしても敗れる…
兵庫県選抜チームで前田健太とチームメイトになり2試合だけバッテリーを組む
その頃前田健太と知り合いになる
誰とでも仲良くなる前田とは将大もすぐに打ち解ける ライバルとみていた前田健太はその後世界大会に出場
将大はお手伝いとしてボールボーイをやる
将大「いつか勝ってやる…」 進路はスカウトが何校か来ていた
前田健太はPLに行くと風の噂で聞いた
将大は悩んだ…
その頃、同級生坂本は問題ばかり起こしていた
シニアでは活躍していることは知っていた
坂本「将大…俺高校で野球やれへんかもしれん」
将大「え?なんでや?スカウトは?」
坂本「スカウトが中学に来たときにちょうど指導室で先生とケンカしてもうてそれが噂で伝わってしまってるらしい」
将大「そんな…」 坂本の進路も気になりながら将大も迷っていた
そんな時、香田監督が北海道から訪ねてきた
「雪国で辛い環境だが、俺と一緒に全国制覇目指さないか?」
将大は感銘を受けた
それまで監督が直接挨拶に来ることはなかったこと
そして甲子園を目指そうではなく全国制覇目指そうと誘ってくれたのは香田監督が初めてだった
将大「北海道か…」 将大は決意を固めた
両親はあんたの目指した道だからと止めることなく背中を押した
坂本「将大は北海道行くのかすげえな」
将大「勇人はどうすんの?」
坂本「勉強も好きじゃないから高校行かれへんかもしれん」
「君が坂本君か?」
!?
光星学院の監督が訪ねてくる
不良少年だがシニアの試合を見て惚れ込んだ
お前を一流に育てると口説いた 坂本「青森か…なんもないよな」
将大「北海道もなんもないで」
坂本「ハハせやな。将大はなんで北海道にしたん?他からもあったやろ?」
将大「監督さんの熱意についていってみたくなった」
坂本「熱意か…」
坂本も光星学院への進学を決意する 〜高校編〜
北海道なら甲子園出やすいかななんて考えていた将大であったが意外にもレベルが高い
2枚エースが凄いな…
当時は珍しい2枚看板の駒大苫小牧高校
レベル高さに驚く 一年の夏
ベンチ入りは叶わなかった
将大はスタンドで応援
快進撃を続ける駒大苫小牧
甲子園行きを決める 優勝候補は
昨年準優勝ダルビッシュとメガネッシュ真壁の東北高校
涌井擁する横浜
強打の日大三高
高校no.1スラッガー鵜久森の済美が挙げられた
駒大苫小牧は優勝候補には入っていなかった 将大には気になっている高校があった
大阪代表PL学園だ
ライバル前田健太
一年生ながら背番号1を付ける
将大「ほんと健太はすごいな」 初戦を快勝した駒大苫小牧
続く相手は優勝候補日大三高
日大三高戦の前の試合がPL学園だった
将大はスタンドで前田健太を見ていた 将大はこの時
同級生で1番のスターは前田健太だと感じた
試合は負けたがPLのエースとしてマウンドに立った事実が将大は強く印象に残った 日大三高戦は先制を許すも逆転また逆転のシーソーゲーム
8-7で駒大苫小牧が勝利する 続く準々決勝
これまた優勝候補の横浜高校
超高校級涌井を相手に駒大苫小牧打線が爆発する 準々決勝で東北初の優勝を期待されたダルビッシュが敗れる…
済美、千葉経大附属、東海大甲府、駒大苫小牧
予想通り残ってるのは済美のみ
優勝候補を立て続けに破り旋風を巻き起こす駒大苫小牧
雪国の期待も受け準決勝に挑む 準決勝は東海大甲府
スター選手は不在
左腕、右腕、アンダースローの継投で勝ち上がってきた
チームとしては非常に近いタイプ 乱打戦を制し
決勝は鵜久森と福井を擁する済美
鵜久森はここまでホームラン3本と前評判通りの活躍を見せていた
北海道初の優勝に期待がかかる 見事優勝!
田中将大はすごい高校に来たことを実感した
同時にピッチャーとしてライバルとなる二年生松橋を大きな壁と感じ始めることになる 秋の大会
将大はキャッチャーでレギュラーとなる
背番号2ながら投手としてもデビューする
6回4失点で敗戦投手となるも
見ていた他校の監督数人から香田監督に「あの2番のピッチャーすごいな!」と言われる
中には「20年に1人の逸材」とまで言う人もいた 冬場雪が降る中
雪の上で練習し技術と体力を高める香田監督発案のキツい練習の日々を送る
「ピッチャーとキャッチャーどっちで行きたい?」
監督に問われた
将大は少し間を開けた後、ピッチャーと応えた
「今年の夏は松橋と二枚看板で連覇するぞ!」監督も決意を固めた 夏決勝でハンカチに負けなんやかんやでヤンキースからイーグルスに出戻った将大を待ち受けてたのは!!? アメリカから逃げ帰ってきてくせに英雄扱いされる風潮 >その頃、同級生坂本は問題ばかり起こしていた
これ好き ハンカチ王子が主人公で
まー君は敵キャラだったのになぁ 2年生の春
背番号は10
初めての選抜の舞台
初戦を任される将大
味方打線が苦しむも9回1失点の完投で2-1で勝利 2回戦神戸国際大附属戦
エース松橋がマウンドに上がり
将大はベンチから見守る
松橋は苦しみながらの投球が続く
打線は神戸国際大西の前にヒットが出ない
冬の期間のハンデなのか快音なく0-4で敗退
短い春が終わった 春の北海道大会
室蘭支部予選は危なげなく勝ち上がり
さすが駒苫という空気
選抜の敗退とは裏腹にチームに
緩みが出始める 北海道大会
初戦白樺学園に自慢の投手陣がつかまる
予想していなかった展開に流れが掴みきれず
打撃戦で負けてしまう
香田監督「夏連覇は目標だが、浮ついてるんじゃないか?まずこの北海道の予選も甘くはないぞ」
浮ついたチームの空気は夏に向けて引き締まる 夏を迎える北海道にしては暑い夏だった
駒大苫小牧の夏連覇の声と打倒駒苫で挑んでくる他校の戦いの火蓋が落とされる
春の北海道大会で引き締まったチームに油断はなかった危なげなく決勝まで勝ち上がる
決勝は北照高校
こちらも甲子園経験ある北の強豪校のひとつだ 取っては取り返す
両校毎回のようにピンチを迎える死闘となった
終盤逆転しなんとか5-4で駒大苫小牧は甲子園出場を決める 二度目の夏
今度はスタンドではなく試合に出るメンバーとして迎える
甲子園まで向かう途中、メールが届く
「こっちは負けてもうたー
将大頑張れよテレビで観とくわ」
ライバル前田健太だった 強豪校も多くシード権がない大阪予選は日本一厳しいと言っても過言ではない
あの前田健太でも勝ち上がるのは難しいのか…
将大は改めて甲子園に出ることの難しさそして夏連覇という目標の大きさを実感する 甲子園…今年も暑い夏が始まる
スタンドで見ていた去年とは違う
そして先輩たちが優勝したことで駒大苫小牧を見る目は例年とは違っていた 昨年主戦投手の1人であった背番号1松橋は特に注目を集めた
インターネット掲示板文化もまだ聡明期に近く
将大はまだ全国的には無名に近い存在だった
夏連覇とチームの合言葉になっていたが
スター選手や優勝候補に北海道代表が上がることはほぼなく見えないプレッシャーを感じていた 今大会最も注目を集めたのは
150キロを越える世代最強の左腕辻内
世代最強バッター平田が揃う
大阪桐蔭高校
ライバル前田健太が破れたのも大阪桐蔭だった 初戦聖心ウルスラをエース松橋が完封
将大は出番がなかったがチームは上々の滑り出し
続く日本航空戦に将大は先発を任される
打線が爆発し快勝した
その裏で衝撃のデビューを果たした選手がいた 大阪桐蔭初戦
世代最強の投手とバッターを揃えズルくないか?とまで揶揄されたチームは初戦から注目を集める
辻内のピッチングは圧巻だった
どう見ても別格のスピードと変化球のキレ
紛れもなく世代最強だ この試合辻内以上に度肝を抜いたのは5番に座ったこの男
強面の風格にがっしりした体格
大阪で力をつけて来ている大阪桐蔭の5番に座るだけある
試合を決める決勝ホームランを放つ
直後辻内からマウンドを引き継ぎ140キロを連発
凄まじいパワーを見せつける
衝撃なのは彼は一年生なのだ
その名は中田翔
彼の名はこの試合で一躍高校球界に知れ渡ることとなる 世代トップの辻内、平田に注目が集まっていたが
スーパー1年生の登場
まさに優勝候補という実力を見せつけていく
2回戦平田の甲子園初アーチを放つ
3回戦辻内が圧倒的な力を見せつける 準々決勝以降の抽選
準々決勝は鳴門工に決まる
勝てば準決勝はおそらく大阪桐蔭
鳴門工に挑む駒大苫小牧
初回苦しむエース松橋
鳴門工リードで終盤まで進み8回大きく突き放される
将大はマウンドに上がる
1-6残り2回攻撃はあるが5点差
駒大苫小牧もここまでかと思われた 将大がマウンドに上がるとチームの勢いが出る
一挙に6点を奪い逆転で勝利
準決勝へ駒を進める
翌日準々決勝勝った方が準決勝の相手となる
大阪桐蔭と東北高校の一戦
先輩ダルビッシュの果たせなかった全国制覇、北海道に先を越され東北初の深紅の優勝旗を持ち帰ることを虎視眈々と狙う東北高校と
最強大阪桐蔭の一戦となる この試合、駒大苫小牧メンバーだけでなく甲子園が驚くこととなる 世代最強バッターと言われながらも2回戦でホームランを打ったぐらいの目立った活躍がなかった平田が目を覚ます
3打席連続ホームラン
甲子園がどよめく…衝撃
次の相手は大阪桐蔭
今大会の山場になるだろう
戦前の予想は別格の戦力を誇る大阪桐蔭に勢いに乗るミラクル駒苫
気付けば将大も注目される選手の1人となっていた 「今日の相手は強い。ここまで来れば最強の相手に当たるのは当たり前だ。だが…お前たちも強い!」
監督の言葉に士気を高める駒大苫小牧
先発のマウンドは将大
初回を抑えて波に乗る
2回駒大苫小牧は一挙に5点をあげ準々決勝の勢いを見せつける 将大は好投を続け大阪桐蔭打線をねじ伏せていく
7回ついに捕まる
3点を取られたところで交代
リードは保つも不安がよぎる 8回同点に追いつかれる
ついに眠れる獅子が目を覚ましたようだ
延長戦へもつれる ベンチに戻る野手を先頭で迎え鼓舞する将大
それに応えたのは同級生林
先頭バッターとして二塁打を放つ
送りバントでランナー三塁
バッターは三年生辻 初球スクイズを警戒して大きく外す
2球目変化球でストライク
3球目内角の真っ直ぐ
ここにきても140キロを平気で投げる辻内
運命の4球目高めの空振りを狙った真っ直ぐ
カーン…ライト線際どいところに飛ぶ
フェアに入れば勝ち越し…
ギリギリのところでフェアゾーンに白球が跳ねる
駒大苫小牧勝ち越し 裏の攻撃
1アウトからヒットでランナーが出る
このままでは終わらない大阪桐蔭
続くバッターは打ち取り
2アウト一塁
ここで迎える世代最強の1人…平田良介 イケメンキャプテン(現監督)に「(俺達と一緒に)やらないか」と誘われたくだりがはしょられてて寂しい 一度マウンドに集まる駒大苫小牧
ベンチから見つめる将大
満員のスタンドが盛り上がる
緊張感漂う甲子園
パスボールでランナーを2塁に進めてしまう
前日3本のホームランを放った平田
一打同点、ホームランが出れば逆転
絶体絶命のピンチ 敬遠策もあったが続く5番はスーパー1年生中田翔
やはりここで決めるしかない…
勝負の一球…外角に外れる平田のバットは止まる
一塁塁審を見る…
スイングアウト!ゲームセット
守るプレッシャーもあるが
当然バッターにもプレッシャーはかかる
ギリギリの勝負でスイングが止まり切らなかったのだろう
見事死闘を制した駒大苫小牧
夏連覇まであと1勝 今大会派手に目立った大阪桐蔭、駒大苫小牧
その影に隠れ密かに勝ち上がった京都成章
主役が派手な時ほど勝ち上がる98年の夏を思い起こさせる京都成章
こちらもスーパー1年生本田が活躍し決勝まで勝ち上がって来た 初回一点を取り合い
同点のまま試合は進む
5回ランナー2,3塁のピンチ
ここでマウンドに将大が送り込まれる ランナーを出し満塁となり
迎えるは京都外大西4番
ここは将大が抑える
迎えた裏の攻撃
駒大苫小牧は得点を奪う
将大がマウンドに上がるとチームの勢いが出る ここで京都外大西も勢いを付けるため
スーパー1年生本田を投入するも
6回駒大苫小牧は追加点を奪う
続く7回今度は京都外大西打線が牙を向く ランナーを出しエラーから失点
マウンドに集まり落ち着こうとするが
ライト線は同点のタイムリーを浴びる
試合は振り出しに 勢いに乗せてはいけない
直後の裏の攻撃
先ほどミスをした林がセーフティバント
三塁線いい所に転がる…
セーフ
京都外大西は油断していた攻めに驚く 2点を奪う
そして迎えた9回
ここを抑えれば夏連覇
マウンドには背番号11田中将大
1年前はスタンドから見た景色を
マウンドから見たいあと3人
最後の気持ちを振り絞る
2者連続三振
あと1人… 2ストライク
あと一球
色んな想いが駆け巡る…
スタンドの歓声は聞こえてこない
全集中…投げたボールは150キロ空振りの三振
駒大苫小牧夏連覇を達成した 全国制覇した瞬間テレビの前ではライバルたちがその姿を見ていた
この世代の1番のライバルは駒大苫小牧田中将大
1988年に生まれたこの世代は打倒駒苫、打倒田中将大を決意することとなる 「優勝おめでとう!テレビで見てたわ来年は甲子園で戦おう俺も負けないわ」
「将大おめでとう!甲子園で戦えるように頑張るわ」
坂本、前田健太などかつてのライバルたちからメールが届く
祝福すると同時に彼らの闘士は燃え上がっていた 当時2年生の150キロのインパクトはすごく
高校球界だけではなく来年のドラフト一位候補として名前も上がるようになり一躍有名となった将大
チームで4番務めたことはあるが
世代の先頭に立つのは初めての経験だった 秋の国体、明治神宮野球大会そして北海道大会を制し
夏から公式戦29連勝を記録
さらにライバルたちは田中将大を意識していくこととなる 選抜出場は決まる
「選抜負けないからな!当たるまで負けるなよ」
坂本のいる光星学院も甲子園を決めていた
前田健太率いるPLも甲子園を決めた
この頃前田はバッティングも良く「桑田二世」と呼ばれるようになっていた ライバルたちとの対戦が間近に迫った3月
衝撃のニュースが流れる
『駒大苫小牧選抜辞退』 3年生の飲酒補導問題に部長の暴力問題などで
出場辞退することとなった
夏春連覇を期待する北海道民だけでなく
打倒田中将大をかかげてきたライバルたちにも衝撃が走った… >>1
いやー面白かったよ
マエケン勇人の絡ませ方が上手いよね
続きを気長に待ってる 主役不在となった選抜大会
打倒田中将大という明確な目標の中
ライバルたちが鎬を削る
前田健太を擁し7年ぶりの選抜出場PL学園
同じ大阪からは後の強豪となる履正社が初出場
18年ぶりに帰ってきたクールな剛腕斎藤佑樹を擁する都の古豪早稲田実業
石垣島から世界大会へ出場した奇跡のメンバーで挑む八重山商工
世代no.1捕手福田永将率いる横浜高校 中学全日本4番橋本良平の智弁和歌山
大野雄大、2年生ながら注目される成田唐川
後に野球界を騒がせることになる早々たるメンバーが揃った 坂本は目立った活躍がなく初戦敗退
将大と共にドラフト上位候補の前田健太は前評判通り勝ち上がっていく
しかしこの大会主役は福田永将率いる横浜高校だった 初戦新興勢力の履正社を1-0で下し
2回戦話題の八重山商工
名門横浜が一挙に6点を取り7-0と突き放す
間際の8回石垣島の子供達が波に乗り7-6
苦しみながらも浦川の好救援で勝ち切る 続く早稲田実業対関西
クールな剛腕斎藤佑樹と2年時から注目を集めたダースの投げ合いになるかと思われたが関西は中村が先発
両校点を取り合うシーソーゲーム
9回7-4早実リード
ここままでは終わらず3点を返し同点
そこからは斎藤、ダースの投げ合いが始まる
延長15回決着付かず再試合となる 斎藤ダースは先発せず
2番手の投げ合いとなった再試合
8回裏2-1早稲田リード
ここで早実塚田が力尽き逆転を許す
空気を変えたい早実は斎藤佑樹をマウンドへ
1点差残す9回
前日15回を完投した斎藤に延長を投げ抜く余力はない
決めるならこの回だ…
この年の早実は斎藤佑樹とそれ以外の投手の実力差が激しい
この日の2番手塚田の好投は意外な展開でもあった 想いを一つにした早実は逆転
9回斎藤が締め24イニングに及ぶ激闘を制した 反対のブロックでは前田健太が順調に勝ち上がる
世代最強は俺だと言わんばかりの活躍
投手としてなら将大もすごいが
前田健太は打撃センスも高く総合力では世代のトップだった 神奈川の横綱横浜高校と都の古豪早稲田実業の一戦
力尽きた斎藤は横浜打線に捕まる
継投で粘ることも出来ず13-3の大敗を喫した
ここから横浜打線が止まらない 準決勝
岐阜城北を12-4でくだし横浜が決勝へ名乗りを上げる
前田健太擁するPLと清峰
清峰は目立った選手はいなかったが手堅く足を使った野球で前田健太を翻弄する 前田健太敗退…
将大はテレビで観ていた
メールをするか迷った…結局しなかった
励ます必要などなく夏はこれを糧に更に強くなって帰ってくると思ったからだ >>85
マーがメジャー行ってしまい売り上げ伸び悩んだ編集が
作者に入れ知恵してマーを楽天に復帰させて延命するのさ 横浜と清峰の決勝戦
中学から全国区の選手を並べるスター軍団横浜が衝撃の21得点
なんという結末…
インタビューでキャプテン福田は「春夏連覇!」を強く発した
もし駒大苫小牧が出ていたら…なんて仮説も出ないほど横浜は圧倒的な決勝戦での戦いだった 選抜が終わり夏が近づく
打倒田中将大、打倒横浜
野球小僧が夏の展望とドラフト候補の高校生リストを発行した 表紙を飾ったのは投手
田中将大、前田健太ではない
埼玉鷲宮高校 増渕竜義
公立高校で目立った成績はなかったが
埼玉では140キロを越える剛腕として注目を集めていた投手だ
サイドスロー気味のフォームから巨人の大エース斎藤雅樹のようだとコメントがあった
田中将大、前田健太も最上位の特A評価だが
インターネットでの事前情報があまり出回ってない時代
増渕の表紙はインパクトが絶大だった 夏の予選
駒大苫小牧は順調に勝ち進み甲子園を決める
北海道という地で世代のトップクラスの投手がいることは稀だ当然と言えば当然だ
神奈川は横浜高校が沖縄は八重山商工が
そして大阪 前田健太は激戦区の波に飲まれ負けてしまう
勝ち上がったのはスーパー1年生として昨夏大活躍し
2年生最強の呼び声高かった中田翔の大阪桐蔭だった 続々と決まる中
将大はプレッシャーを感じていた
初めて背負う世代の代表として目指される側に立つプレッシャー
先輩たちが続けてきた夏3連覇への期待
北海道民から田中将大がいれば優勝狙えると期待は特に感じていた
そして体調を崩してしまう
胃潰瘍だった 真夏の甲子園
マウンドは40℃近いとも言われ立ってるだけでも辛い環境
優勝候補としてのプレッシャー
無理はさせられないが昨年エース松橋を支えた田中将大のような2番手はいなかった 体調不良を公言出来なかったため
将大は先発ではなく2番手としてピンチになったら出て行く作戦を取る
優勝候補として田中使わないとか注目から舐めてるのかという声もあった この大会優勝候補は
駒大苫小牧、選抜優勝の横浜
春横浜を追い詰めた八重山商工、激戦区大阪を勝ち抜いた大阪桐蔭
が筆頭に挙げられた
将大は世代最強投手として全校から目の敵にされ
ヒール役のような状態であった 大会初日
早実が大勝
エース斎藤佑樹のハンカチで汗を拭くスタイルに驚かされる
第三試合いきなり優勝候補対決となった
横浜と大阪桐蔭
戦前の予想は横浜優勢だった
選抜決勝戦はそれほどインパクトがあった 試合は横浜が先制
戦前の予想通りに行くかと思われたが粘る大阪桐蔭
同点で迎えた7回試合が大きく動く
中田翔のホームランを始め
7,8回で9得点
最終回意地で3点返すも無情にもサイレンが鳴り響く
11-6選抜覇者横浜初戦敗退…
春夏連覇を目指したキャプテン福田は号泣し監督が宥めながら甲子園を去った やはり中田翔すごい!清原の再来か!?と声も上がる中
2日目またもスーパー2年生が現れる
仙台育英 佐藤由規
体は小さいが150キロ近い速球に度肝を抜かれる 島の子供達八重山商工も順当に勝ち上がる
島育ちの子供達が幼少期から手塩にかけて甲子園にたどり着く
そんな背景に八重山商工が話題性で注目を集めて行く 2回戦
ついに王者駒大苫小牧が登場
万全ではないものの初戦を託された将大
点は取られるものの要所は抑えるピッチング
昨夏も経験している中沢本間が将大を助ける
俺たちが打つから任せろと言わんばかりだ 2回戦注目を集めたのは
早稲田実業と大阪桐蔭の一戦
あの横浜に大差で勝った大阪桐蔭は一躍優勝候補筆頭として祭り上げられる
そこに立ちはだかるのは斎藤佑樹
イカツイ中田翔にハンカチで汗を拭くクールな斎藤佑樹の構図は見ものだ 注目された4番中田と斎藤の対決
中田は斎藤のノビのあるストレートに歯が立たない
バットは空を切る
連続三振…
のちに中田はこの時のことをこう振り返る
「プロに入ってからもあの時の斎藤さんほどの衝撃はなかった」
11-2早稲田実業が勝利
ここからハンカチで汗を拭く仕草と大阪桐蔭に勝ったことで斎藤佑樹が注目を集め始める 3回戦
駒大苫小牧は青森山田を迎える
青森と言えば…あの男からメールが届く
「勝てよ」
短い一言だがかつての仲間が見てくれているというのは将大には伝わってきた 決勝まで見据えて体調の優れない将大を温存して行きたい駒大苫小牧だが
序盤から大量失点をしてしまい中盤早くも将大がマウンドへ
差を詰めて行くがなかなか追いつかない
8回連打でついに同点とする 9回世代最強投手田中将大まさかの失点
1点が重くのしかかる
将大のことを考えると延長は避けたい…
「同点狙いじゃない、逆転する気持ちでいこう!」
中沢が同点のホームランを放つ
なおもランナー一塁に将大で6番三谷
外野の間を抜ける
一塁から激走
「仲間が繋いでくれたチャンスを無駄にはできない…」
セーフ!!
サヨナラ!!
駒大苫小牧は準々決勝へ駒を進めた 「ナイスゲーム」
青森にいる彼からまた短いメールが届く
坂本「俺たちに勝ったとこが将大に負けたと思えばなんかよかったわ」
とのちに語っている 3回戦
早実は斎藤佑樹が快進撃を続ける
ワイドショーでもハンカチで汗を拭き涼しげに投げる青年に注目が集まる
島の夢をのせた八重山商工はエース大嶺が力尽き
智弁和歌山の打線につかまり敗退
ここから大会の注目は早実と駒大苫小牧に集まって行く 準々決勝
さすがにここまで来ると体調悪いとはいえ田中将大を使わざるを得ない駒大苫小牧
将大の地元兵庫の東洋大姫路との対戦 先発将大で気が抜けたのか
初回からリードされる展開に…
4回に更に追加点4点差
6回ついに駒大苫小牧が目覚める
連打で一挙に4得点で追いつき
7回ついに逆転
一点差を将大が守りゲームセット 智弁和歌山と帝京
ハマると怖い帝京打線に強打の智弁和歌山
9回8-4このまま智弁和歌山リードで終えるかと思いきや
ここから帝京打線爆発!!
一挙に8得点で逆転12-8とひっくり返す 追い込まれた智弁和歌山はその裏
スリーランとタイムリーな4点を返し同点
最後は満塁のピンチを帝京耐えきれず押し出しでサヨナラ…
駒大苫小牧の次の相手は智弁和歌山に決まる そして斎藤佑樹登場
日大山形打線を2失点に抑える
8回追う早稲田実業は一挙に4点を奪い勝利
斎藤は初戦からオール完投を継続した 準決勝強打の智弁和歌山に将大をベンチに置く作戦で挑む
駒大苫小牧打線も奮起し点を取り合う
4回同点に追いつかれピンチは続く
将大投入で流れを渡さない
5回に勝ち越し
将大が0に抑えて勝利
智弁和歌山は「田中君が出てくる前にもう一本欲しかった…さすが田中君といった感じ」とコメントを残した 決勝を決めた駒大苫小牧に対し
触発されたのか斎藤佑樹が更にギアを上げる
13奪三振の完封勝利で決勝に名乗りを上げる
世間では爽やかで飄々とする斎藤をハンカチ王子と呼び始めた
甲子園も黄色い歓声が増える 体調が悪く険しい表情が続く将大は
ラスボスのヒール役となった
駒大苫小牧の3連覇か
都の古豪早稲田実業の初優勝か
決勝を迎える 決勝戦
遠く離れた青森から坂本は見守った
ライバル前田健太は現地に行くか迷ったが寮のテレビで見ていた 田中の体調が悪くこの日も途中から行く作戦に出る
対する早稲田実業は一貫して斎藤佑樹が投げる
3回ピンチを迎える
斎藤佑樹から点が取れないと判断し将大を投入し乗り切る
白熱した投手戦
8回試合が動く
駒大苫小牧三木がホームランを放つ
意外な伏兵の一発に駒大苫小牧メンバーも驚く 続く裏
今度は二塁打で攻める早稲田実業
勝利を意識してか悪送球
犠牲フライで同点に追いつかれる
延長戦突入
体調が万全ではない田中将大と
ここまで全て投げてきた斎藤佑樹
2人の投手は限界を越えていた 11回1アウト満塁と斎藤を追い詰める
スクイズを仕掛けるも斎藤のスライダーに空振り
斎藤がこのピンチを凌ぐ 両エースの熱投に得点が動かず延長15回
最後のアウトを将大が奪い
引き分け再試合
「斎藤佑樹…なんてタフな投手なんだ」
「お前もよく投げるわ、明日は勝つぞ」
こうして第1戦は幕を閉じた 翌日再試合
早稲田実業は斎藤がマウンドに
駒大苫小牧は将大を休ませる作戦に出る
しかし初回いきなり先制されピンチが続く
休ませる作戦は失敗に終わり将大がマウンドに 大量失点はないもののこまめに点を取られ
4-1でリードされ迎えた9回
後がない駒大苫小牧
三谷中沢のホームランで一点差に詰めるも
2アウトランナーを置いて
打席には将大
このドラマの結末はどうやらこの2人の勝負で決着がつくようだ 将大、斎藤共にとっくに限界を越えていた
注目されるプレッシャーはそこにはない
勝ちたい…この気力だけがそこに立たせていた バットが空を切る…
一瞬の息を飲む音と同時に大歓声に包まれる
2日に及ぶ激闘は幕を閉じた…
高校球史に残る決勝戦
最後のバッター将大は空振りした瞬間、笑みが溢れた
戦いの終わり、そしてプレッシャーから解放された安堵のような表情だった… 激闘の夏が終わり
秋を迎えた
エリート高校球児にとっては一足早い進路が決まる時期だ
激闘を演じ新たなライバルとなった斎藤佑樹はプロ入りはせず大学進学を発表
前田健太、坂本勇人はプロ入りを決断する
上位候補としては増渕、大嶺の名前も上がった
野手のトップは堂上直倫
競合が予想されたのは将大と堂上だった 巨人阪神中日が堂上を指名
ロッテソフトバンクが大嶺を指名
ヤクルト西武が増渕を指名した
抽選の結果堂上は中日ら大嶺はロッテ、増渕はヤクルトに決まる 横浜楽天オリックス日ハムが田中将大を指名した
ドラフト前の予想では北海道の日ハムに!なんて声が大きかったが将大自身はこだわりはなかった
楽天がクジを引き当てた
前田健太は広島が単独で指名した ハズレ一位の坂本、吉川を始め
會澤、梶谷などのちの実力者たちも指名を受けた
〜高校野球編 完〜 〜プロ野球編〜
2007年パリーグ
前年新庄フィーバーに湧いた
若手エースとして高校時代に見たダルビッシュ、涌井成瀬が台頭していた
楽天は創設したての新興球団
前年から指揮を取る名将野村監督の元
将大はプレーすることとなる >>85
小中編は人気出なそうだな
連載追う読者的には坂本やマエケンが大物になる感ないもんな
高校からは人気作品だと思うわ 自主トレが始まる新人は合同で行うのが通例
「え、プロって自主トレだけめこんなに報道の人いるの…」
将大はフィーバーの渦中にいる
気付いていないのは本人だけなのかもしれない
自主トレからキャンプ本番並みの注目なのだ キャンプイン後もマー君フィーバーは続く
ルーキーのフィーバーは松坂大輔以来であろう
高校二年生から注目されることになれてきた将大はものともしないマイペース
フリー打撃、紅白戦、オープン戦の初登板は全て雨だったため雨男と先輩たちからイジられる
体はデカいが愛嬌があり早速先輩達からも可愛がられた リーグを代表する投手エース岩隈の投球練習は新鮮だった
ゆったりしたフォームから腕の振りに対して力のあるボールは衝撃を受けた
岩隈を参考にプロの体の使い方を学ぶ
力一杯投げる高校生とは違い
力を抜きながら要所に力を入れるフォームの取得に苦労する オープン戦を終え開幕一軍を野村監督が明言する
開幕6戦目のソフトバンク戦へ登板が決まった
6戦目ということはローテの1番下
それでも高卒投手としては快挙である
他のプロに進んだ仲間は開幕一軍はいなかった 迎えた3/29
敵地ヤフードームでの初登板
ここまでチームはソフトバンクに2連敗
3戦目をルーキー将大に託した
しかし初回から捕まる
打たれて走られプロの洗礼を受ける
2回途中6失点で降板する 野村監督から声をかけられる
「これがプロ野球や。次までにしっかり準備せえ」
厳しくも優しさも感じる一言だった
2回で大量リードこのままズルズル行くかと思ったが
「高卒ルーキーに負けをつけるな!」とマー君がロッカールームに行ってる間に選手を鼓舞する
同点に追いつき将大の負けは消えたが
試合は再度突き放され負けてしまう
試合後
「見ての通りだよ。何と言うか、もう少し投げられると思ったけどな。良い経験したんじゃない?次も投げるよしばらくは英才教育」
野村監督はボヤいた 続く2戦目
日ハム戦に初のホームで先発
前回とは見違えるように良くなり6回1失点
しかし毎回ランナーを出してしまった
チームはその後リリーフが耐えきれず負けてしまう 「無駄なフォアボールが多かった。
とにかく、きっちり3人で打ち取れなかった。いずれにせよ、コントロールを意識しすぎたな。マウンドでいろいろと考えているのかもしれないな。
胸を借りるつもりで思い切って投げてほしい。まだ若いんだから。新人が投げているんだからもっと点を取ってやらないと。」
とぼやいた 一方その頃別の道に進んだ男も新しいスタートを迎えていた
斎藤佑樹早稲田大学入学
マー君に負けないハンカチフィーバー
入試の志願者が例年より増えた 4/14
六大学野球が開幕
早稲田は開幕投手に斎藤佑樹を持ってきた
相手は東大
六大学デビューは6回無失点被安打1奪三振8個と上々のデビューを飾る 2日後
ここまで打線に助けられ負けなしの将大
この日初完投し初勝利を挙げる
同じ週に新たな環境で初勝利を挙げる
この2人の運命に繋がりを感じるような初勝利だった
「何か持ってるね。強い星の下に生まれている気がするなぁ。」と野村監督はぼやいた
チームとしても今年初完投であった 将大は勝ったり負けたりを繰り返すが斎藤の話題がある週は勝つことが多かった
6/3
早稲田は優勝がかかった早慶戦に斎藤佑樹を先発させる
見事完投勝利で優勝投手となった
4勝0敗1.65で最多勝を獲得
見事な六大学デビューを飾り1年生の春季リーグで史上初のベストナインに選ばれた 次の将大の登板
斎藤に鼓舞されるかのように
7回1失点の力投で勝利
さらにその次の登板ではプロ初完封を記録
ダルビッシュ以来の高卒ルーキーの完封勝利だった
「親孝行息子の誕生だな連敗ストッパーだよ」と珍しく喜びのぼやきで締めた 林裕也って同級生じゃなく一学年上じゃなかったか
懐かしい感じで読ませてもらった 将大が初完封を記録した2日後
全日本大学選手権は準決勝を迎えていた
六大学代表として出場する早稲田大学は
準決勝のマウンドを斎藤佑樹に託した 斎藤は1失点に抑える
終盤は先輩松下に託す
打線も爆発し創価大を大差で下し決勝進出を決めた 翌日の決勝戦
前日先発した斎藤佑樹を再び先発させる
甲子園決勝を思い出させる連投となった
ここでも圧倒的なピッチングを見せる
この日も松下とのリレーで優勝を決める
4試合中3試合で先発し勝利を挙げた斎藤は史上初の1年生でMVPを獲得した 斎藤は一年生ながら大学日本代表に選出される
甲子園優勝の勢いそのままに大学球界でも早くもトップクラスの投手となった 将大も快挙を成し遂げる
オールスターファン投票1位
松坂大輔以来の高卒ルーキーのファン投票1位であった
オールスター前の7/10には100奪三振を達成
高卒ルーキーでの達成は史上6人目、96回2/3での達成は最速のイニング数だった >>174
松井は8人目
藤浪が前の年にやってる
松井が持っている高卒新人記録は
連続イニング無被本塁打71イニング
初登板からの3連続敗戦投手 持ち回りで各ホーム球場を回るが
2007年は第2戦がホーム仙台で開催
当然第二戦の先発を任される
この日も同期入団の嶋とバッテリーを組む
自己最速の153キロを出し盛り上げるも
2回6失点と内容は寂しいものとなってしまった 一方斎藤は日米大学野球選手権に出場
米国開催19回目にして日本チームは初めて勝ち越した
2試合に先発し1勝を挙げ、交換した 7月と言えば甲子園の予選がある
2007年世代の代表は中田翔
そして150キロを越える佐藤由規、成田唐川がBIG3と呼ばれていた
スーパー一年生、清原再来という人までいた怪物中田翔には注目が集まった
しかし中田翔は強豪ひしめく大阪予選を勝ち上がれず最後の夏を終えた
BIG3では佐藤由規だけが甲子園に進んだ 8月に入り最初の試合
将大は打ち込まれてしまう4回で5失点
野村監督は代えなかった
エース岩隈は二段モーション禁止から苦しんでいた
開幕投手は務めたものの痛みが出て調整しては戻ってを繰り返していた
チームの勝ち頭は将大になっていた 野村監督もエースとして認め始めていたからなのか
打ち込まれてもこの日は変えなかった
すると4回裏に4点、5回に3点を取りチームは逆転した
この時から田中将大が投げると勝てるという空気が出始める
投球スキルだけではない将大の1番の強みは『投げる姿でチームを鼓舞する力』なのだ
野村監督は逆転勝利したこの試合後
「マー君、神の子、不思議な子」とぼやいた この頃二軍で結果を残していた坂本も一軍デビューをする
しかし特に目立つことはなく二軍へ戻った 翌週も5回6失点
6-2とリードされたままマウンドはおりるも
チームは逆転サヨナラ勝利
「今日は悪魔の子かと思ったけどやっぱり神の子だった。ツキで野球するなよ」と野村監督はぼやいた 夏の甲子園は佐藤由規が155キロを記録するも敗退し
佐賀北がばい旋風が起きた
甲子園が幕を閉じた頃
将大は10勝目をマークんした
高卒ルーキーの10勝は松坂大輔以来
楽天ゴールデンイーグルス球団初の二桁勝利投手となった
記者「球団新記録の10勝ですよ。」
将大「えー、そうですねぇ・・・。あまりピンと来ないのですけれども・・・(苦笑)。球団の歴史に名を連ねることができて、率直に嬉しいです。」
記者「当初、「1勝が目標」と田中投手はおっしゃっていましたが、どうです?10勝目は?」
将大「ぜんぜん考えていなかったです(笑)」 >>175
おお〜なるほど!
ありがとうございます そこから6日後
再び一軍に昇格した坂本勇人が代打で登場
延長12回一打勝ち越しの場面
「絶対打ったるからな」
気合いで飛ばした打球は内野とセンターの間
「落ちろ!!」
センター滑り込むも届かず
ランナーが2人帰り
決勝タイムリーとなった
「将大…待ってろよ…」 将大はルーキーながら防御率3.82
11勝7敗 186イニング196奪三振
チームの勝ち頭としてイニング数と奪三振数は好成績を残し新人王を獲得した
チームは4位
3位と6ゲーム差とCS争いすることもなく終わった
パリーグは防御率を成瀬、最多勝を涌井、奪三振をダルビッシュが獲得し主要3タイトルを22歳以下の若い投手で埋め尽くした
涌井、ダルビッシュはこの後も将大の大きな壁となる セリーグは巨人がリーグ優勝するも
CSで敗退
坂本勇人は出番がなく終わった 前田健太は一軍昇格はなかったものの
二軍ではチーム最多の投球回を投げた
かつてのエース佐々岡の引退、エース黒田のメジャー挑戦と広島投手陣は一気に若手へシフトする時を迎えた
若手シフトの象徴かのように
佐々岡が付けた18番をまだ一軍昇格もしていない前田健太に託すことにした
「背番号変更?はい…え?18?」
前田本人も驚いたがチームの期待とプレッシャーより
若手としては黒田が抜けたことはチャンスと捉えていた
「来年はやってやる…」 一方六大学野球秋季リーグ
連覇を狙う早稲田大学は春に引き続き開幕投手に斎藤佑樹がマウンドに上がる
チームメイトに松下、須田と後にプロに進む先輩投手がいながらも早稲田いや大学野球界のエースに君臨していた
秋季防御率0.78、4勝を挙げ防御率と最多勝を獲得
史上初の一年生投手で春季、秋季共にベストナインに選ばれた ハンカチ世代と呼ばれた男たちの新たなステージでの1年が終わった
世代の中心斎藤佑樹と田中将大
フィーバーは人気だけではないことはアピールし
2年目が始まった
昨年チームの勝ち頭だった将大はキャンプから開幕投手予想をされていた
「開幕投手は名誉」
将大もそうコメントしていた
坂本、前田も一軍キャンプで期待の若手として注目を受け始めた
2年目の戦いが始まった 「開幕投手は岩隈、マー君は2枚目ね」
キャンプが終わる頃チーム内で発表された
期待している選手には厳しくあたるという持論の持つ野村監督はオープン戦好投する将大を褒めながら
岩隈に厳しく当たった
将大開幕投手予想がマスコミの有力説であったが
今シーズン飛躍するには岩隈の復活が必須と野村監督は考えていた
そのため将大にはまだチームを背負わさずにのびのび投げさせ岩隈へのカンフル剤となることを望んでいた 開幕2戦目
将大今季初登板
あまり調子は上がらず8回3失点で敗戦投手
ほろ苦いスタートなった
坂本、前田健太も開幕一軍スタートを決めた
坂本は開幕戦二塁手としてスタメン出場
10代野手の開幕スタメンは松井秀喜以来の快挙となった
開幕戦ショートレギュラーの二岡が負傷
翌日からはショートでスタメンとなる 楽天ゴールデンイーグルスホーム開幕戦は
田中将大にマウンドを託した
この日は奪三振こそ少ないものの安定感抜群のピッチング
完投勝利でホーム開幕戦を勝利で飾った 前田健太のデビュー戦
世代交代を測る広島の期待を集めた初登板は
5回3失点とまずまずの投球 駒大苫小牧の当時のチームで、監督に見た目が似てるから監督の息子呼ばわりされてたの誰だっけ?
林か本間だと思うんだが 坂本は開幕からスタメンを続ける
打撃も守備も粗いが勝負強さや守備範囲の広さは今後の成長に期待を感じる存在であった
小笠原ラミレス阿部慎之助らリーグを代表するベテランたちがサポートする 「将大元気か?いやテレビで観てたわ
俺もやっと一軍で活躍し始めたで」
かつての同級生からのメッセージに将大は笑みが溢れた 5/4
高校時代過ごした第二の地元北海道
札幌ドームではまだ勝てていなかったがこの日ついに初勝利
これまで相手チームのヒーローインタビューはやらなかった札幌ドーム
北海道民に夢を与えた将大の声を聞きたいファンがたくさんいたことで急遽開催
「高校の時はたくさんの応援ありがとうございました。こうして北海道で投げられるのは自分自身にとっても嬉しい事ですし、少しでもたくさんの人に喜んでもらえるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。」
とこの粋な計らいを締めた 交流戦が近づいてきた
坂本との再会が近づく
この年は北京五輪がある
代表候補には将大も入っていた
気迫溢れるピッチングを武器とした闘将星野仙一
将大には近いものを感じていると思われた 6/16
仙台の地でかつての同級生と再会を果たした
「終わったら美味い店連れてってくれや」
「おう」
「負けた方がおごりな」
試合前の短いやり取りだった 9番ショートで先発した坂本勇人との初対戦は3回に実現する
変化球で追い込む
最後はストレート
ライトフライ
まずは将大が勝利 第二打席もライトフライ
迎えた第3打席
「振り遅れてな…ちょっと早めにタイミング取るか」
今度は強烈なライナーがセカンドへ
セカンド高須のグラブを弾く
坂本この日初ヒット 試合は3-0で巨人がリードした9回
この日最後の勝負
慎重に攻める将大
フルカウント
「落ちる球かな…真っ直ぐか」
決断し切る前にボールが来る
「す、スライダー!!くっ、なんとか当てな」
ボール気味のアウトコースのスライダーを当てた打球はライトの前に落ちた
試合は巨人が勝ち2人の勝負も坂本に軍配が上がった 「仙台と言えばやっぱ牛タンやな〜うわ!うまっ!」
「ここは特に美味いよ」
「将大とこうやってちゃんと話すのは中学以来やな」
「たしかにそうか…同級生が同じプロの世界でやってるなんて面白いな」
「そうだな顔は昔のまんまなのにいつの間にかすごい人になってたわ」
「勇人もすごいやん。二岡さんいて巨人でスタメンって」
「そうだなこうやって同世代盛り上げていけるといいな斎藤佑樹もすごいし、そういえば広島の前田がこないだリリーフで出てきたわ対戦はしなかったけど」
「健太か!ボーイズの頃からライバルなんだよ」
「あーすごいやつがいるって言ってたやつか」
「健太も凄いピッチャーに絶対なるよ」
「要チェックやな同じセリーグやし」
この夜は久々の再会に緊張が緩んだ 2人の再会から2日後
北海道の地で赤の背番号18が躍動した
7回までノーヒットに抑える
8回2安打を許すも0に抑える
ここでお役御免
チームはそのまま勝ち初勝利を挙げた
ついにライバル前田健太も動き始めた ライバルたちに刺激を受けながら
この年、影響を受けることになったのは復活したエース岩隈だ
6月時点で二桁勝利を挙げる
気迫溢れる将大とは正反対に
スマートなマウンド捌きとにかく低めに集めることで長打を許さないそのピッチングは経験がなせる技なのか
将大は何か盗もうと釘付けになっていた 野村監督もまた岩隈を手本に将大を次世代のエースに育て上げることを考えていた 一方、斎藤佑樹は大学日本代表のエースナンバーを背負うことになるが
一年生で大学野球界の目標をほとんど達成してしまい
野球の話題では目新しさがなくなってきていて
注目を浴びることは少なくなってきていた
合コンやデートのネタを週刊誌に書かれるようになってきていた
一大学生を週刊誌が取り上げるのは特殊で
いかに注目度が高いかという裏返しではある 五輪メンバーが発表された
昨年の実績、アジア予選メンバーが重視された選考になったためパリーグ投手タイトルトップを走る岩隈は選ばれなかった
次世代の経験を積ませるという側面もあってか将大は選ばれた アマチュア主体からプロ参加で徐々にプロの参加が増えてきたオリンピック
初のオールプロ選手で挑む北京五輪
WBCの熱狂と共に世間の期待は金メダル当たり前の非常にハードル高いものとなっていた 〜北京五輪編〜
最年少で選出された将大
楽天からは唯一の選出
実は人見知り恥ずかしがり屋の将大にとってそれが不安だった
集合場所の部屋に入る
「お願いしやす!」
野球界なら知らない人はいない選手ばかり
当然顔と名前は知っているがどう振る舞うか迷っていた 「おう、田中よろしくな頑張ろうぜ」
声をかけてきたのはダルビッシュ有
今大会日本の柱となるとされているピッチャー
思い起こせば初めて会ったのは中1
会ったというか遠目から眺めたというべきか
関西ボーイズリーグで1番有名だった投手が当時中3のダルビッシュだった
背が高くボールも速いとにかく別次元の人が当時の印象 世界大会に出たり
高校に進んでから甲子園も2年生から出ていてスタンドから見ていた高校一年生の夏
大会の主役の1人だった
とにかく自分とはレベルの違うすごい人で目標やライバルとも思ったことはなかった 「よろしく」
その横にいたのはダルビッシュと同い年の涌井
将大の次に若い2人だがすでにエースとしてタイトルも取っているパリーグを代表する投手
挨拶をしながら改めてすごいメンバーだなと感じていた ダルビッシュと涌井がよく声をかけてくれたことと
将大自身は人見知りではあるが天性の可愛がられキャラもありチームのみんなから可愛がられた
溶け込む不安はすぐに解消された 初めてオールプロ選手ということで注目度は段違いだった
高校時代も日本代表には入っているが全く次元の違う
負けは許されないプレッシャーを日に日に感じて行く 迎えた初戦アマチュア最強国キューバ
先発は若きエースダルビッシュ
先攻の日本は初回先頭の西岡がヒット、青木が死球で連続出塁
3番バッターながら手堅く送りバントで1アウト23塁
先制のチャンスを作る
一気に流れを作りたいところだがパリーグ新井稲葉が連続三振で無得点
流れを掴み損ねる 先発ダルビッシュは多彩な変化球が武器だが
山の高い国際試合のボール
変化量の調整に苦戦する
初回は先頭四球を出すもなんとか乗り切る
しかし2回3連打で先制を許す
3回川崎西岡の連打から犠牲フライで追いつくもその裏再び突き放される 5回同点に追いつくが裏にダルビッシュが連打を喰らい2点差となる
ここで2番手成瀬はスイッチし乗り切る
ここからランナーが出るたびに併殺でランナーを活かせない 流れを変えたい日本は3番手将大を投入
闘志を伝染させたかったが
慣れないリリーフ登板にコントロールに苦しむ
なんとか無失点で切り抜けるも
結局そのまま敗戦
全勝を目指して士気を高めた初戦
エースダルビッシュで落としたことで
重たい空気がのしかかる… 翌日台湾戦
ダルビッシュの同級生で普段はライバル涌井が先発
実力的には優位なはずが中々ヒットが出ない
涌井も安定したピッチングを見せ粘り6回1失点
阿部のホームラン、稲葉のタイムリーで2点を奪うが余裕のない展開が続く
抑えは国際試合無敗の上原
今シーズン巨人では調子が上がらなかったが星野監督は上原の国際試合の強さを評価し選出
シーズン中には中々見れなかった完璧に3人を抑え勝利した
勝ったもののチームはどこか波に乗れない空気が漂っていた 3日目オランダ戦
杉内が快投!初回に4点を取り完勝
将大も登板し3人で抑える
2連勝で波に乗りたいところだが
明日は因縁の日韓戦
勝ったとはいえ緊張感は抜けない 日本と韓国は近くて遠い国
隣国というだけでなく、歴史的な背景、領土問題、在日問題…抱える問題はたくさんある
韓国にとっては絶対に負けたくない国
闘志剥き出しで向かって来る
スポーツは国民感情の代理戦争のようなものだ
極端な話、日本にさえ勝てば他の試合は負けても文句は言わないような印象さえある
日本も韓国には負けたくない
特に野球は日本のメジャースポーツで歴史は深い
まだまだ追いつかれるわけにはいかない
そんな中2年前のWBCでは1勝1敗決着は付いてない
今度こそ日本の野球を見せつけたい
同時に絶対に負けられないプレッシャーはこれまでの3試合よりも重く重くのしかかった 大会前の記者会見で星野監督は「韓国に警戒する選手はいない」と煽るようなコメントを残していた
アジア予選では星野JAPANは韓国に勝利していた
先発は和田にたくす 北京敗戦後の仙一の会見でのコメント
「野球なんか見るか!」
その日に、自軍のペナントの試合に強硬出場する選手がいるなか、このコメント…
俺はこいつが嫌いだ マーくんです
緊張感に包まれ試合は始まった
試合が動いたのは6回
ここまで調子の上がらなかった4番新井が先制ツーランホームラン
しかし韓国もすぐさま追いつく 難しい展開が続く
将大は日の丸の重みを感じていた
日本は絶大な信頼を置く岩瀬を投入するが
打たれてしまう
9回3点差
なんとか一点は返すが負けてしまう
ミスらしいミスもなく力負けした…
宿敵韓国に負けたこと
予選リーグ2敗目を喫してしまったこと
負けられなくなり崖っぷちに立たされ更にプレッシャーは増した 1日空きカナダ戦
攻めに苦しむ日本
先発成瀬が無失点で踏ん張る
5回稲葉のホームランで先制
1点しかない投手戦は続く
余裕はない…
なんとか凌ぎきり勝利 他チームの勝敗によりあと一つ勝てば決勝トーナメントが決まることになった
明日は米国戦
今日勝って決めておきたい
ここに来て打線が爆発
決勝トーナメント行きを決める 次の相手は勝てばキューバ負ければ韓国となった
決勝に向けダルビッシュが調整登板
ここに来て制球も落ち着いた
あとを引き継いだ将大
5イニング任される
最年少でプレッシャーな少ないところで投げさせたのは人情派の星野監督の優しさかもしれない
将大自身は大事な場面を任されない不甲斐なさを感じていた
0-0で延長に突入
タイブレーク
決勝トーナメントに向け復活してもらいたい岩瀬を投入
打たれてしまう 2-4
絶対的なリリーフとして考えていた岩瀬の不調は不安となって残った
準決勝は韓国戦となった 日本は初回先制しリードするも7回追いつかれてしまう
8回星野監督は岩瀬を送り込む
最後まで岩瀬を信じたが打たれてしまう2点差
まだ最終回がある
レフトにフライが上がる乗り切った
攻撃に意識が行きかけたところでGG佐藤がまさかの落球
普段ライトを守っていたためかプレッシャーからなのかまさかのミスが出る…
4点差…跳ね返す力はもうなかった 3位決定戦も米国に敗退
金メダルを期待されたチームはメダルすら届かずに敗退してしまった
国内では敗因の分析や心ない声が飛び交った
将大は日の丸の重みそして国際試合の難しさなど
多くのことを学んだ
また共に戦った仲間と親交を深めた 北京五輪後はチームに戻った
ペナントは終盤優勝争いとCS争いで盛り上がるが楽天は最下位に沈んでいた
将大も二桁勝利が狙えるかどうかというところ
チームの明るい話題はエース岩隈の復活
タイトル総なめの勢いで最多勝はほぼ確定
あといくつ獲得するのかがファンの話題だった ルーキーの頃から移動の時は岩隈の近くに行き
ひたすら質問し続けた
この日も近くに行き話をした
「岩さん本当今年すごいですね」
「自分の成績はな…チームがこれじゃ素直には喜べない」
将大は以前岩隈に聞いたエースの極意を思い出していた
「エースっていうのは自分が良いピッチングするだけじゃない、一挙手一投足チームの仲間が見てる。存在だけでチームを安心させたり、不安にさせたりも出来る。
週1回しか試合には出ないがチームの成績には大きく影響する。いつかエースになった時はそれを忘れるな」 シーズン最終戦
楽天は一つ順位を上げ5位は確定
将大が先発。ここまで9勝。勝利投手になれば二桁勝利が決まる
ノムさん「マー君、今日はチームのことは考えなくて良い。今年学んだこと、気持ちを全部出せ!自分のために勝ってみろ」
そう送り出された
野村監督からの成長を確認するテストだった
熱く投げ込む将大
0を並べ続けるが味方の援護がない
DH制なので攻撃に直接絡むことはない
9回無失点でマウンドを降りる
延長戦で得点し最終戦は勝利で終わった 9勝7敗 172イニング159奪三振 防御率3.49で2年目のシーズンを終えた
江夏以来の高卒2年連続150奪三振
高卒2年目としては十分な成績だったが
将大は引っかかっていたのは勝利数
もっと勝てたはずじゃないか?勝てる投手とは何が違うのか
もう一つ上のステージに行くにはその答えを見つけないといけない
オフの宿題となった 一方セリーグでは巨人が優勝
坂本勇人はオープン戦から日本シリーズまで全試合出場を果たす
原監督からの経験の千本ノックを受けた1年だった
新人王は同僚山口鉄也に譲るが特別賞を受賞した
一年間出続ける辛さ、体力面、技術面
成長よりも未熟さを感じていた 前田健太も6月の初勝利後は一軍で活躍
9勝2敗 3.36と成績を残した
目標としていた5勝を越え充実したシーズンを過ごした 来年のWBCに向けての話題が飛び交うようになる
監督選考
北京五輪に続き星野仙一続投が既定路線であった
世間からは大丈夫なのか?と言う声も上がる
12球団の現役監督にヒアリングを行ったが要請があっても難色を示すとのことでやはり星野続投が濃厚になった
海の向こうから日本の生けるレジェンドが声を上げる 「本当に最強のチームを作る気持ちがあるとは思えない。WBCは北京のリベンジの場じゃない」
WBCにおける日本の最重要人物であるイチローのコメントは影響力抜群だった 星野は世間の反発と家族の意見を聞き自ら辞任した
現役監督を反対していた渡辺久信と原辰徳が頼まれたら断れないと表明
日本シリーズを控えていた両監督
渡辺は就任一年目ということもあり
「百戦錬磨の監督が良い」と経験を重視し
原辰徳が監督に就任する
原は就任決定後
「ジャパンは日本野球界の誇りでこれからも活動を続けていく原ジャパンではなく愛称を付けたい」
との思いから『侍JAPAN』と名付けられる 監督が決まりいよいよ選手選考というところで
北京五輪でのGG佐藤や岩瀬への風当たりの強さから
出場辞退が相次ぐ
中日に至っては荒木など出る意思を示していたが
フロントから出るメリットがないチームの活動が優先という声が出たため
出場=球団への反旗を翻すこととなってしまい全選手辞退を申し出る
もっとも注目されたのは野球ファン誰もが日本の4番として認める男だ 北京五輪チームでは新井が4番を予選から務めたが
ファンが求める一発強打の4番とはかけ離れていた
巨人の4番、日本人離れしたパワー、名門ヤンキースのクリーンナップを務める松井秀喜
前回大会はヤンキースの意向から出場辞退となった
最強の侍JAPANにはこの男を野球ファンは求めていた 前年左膝の手術のためリハビリをしていたが
来シーズンは開幕から出場予定となっていた
怪我明けでも松井なら文句なしの4番
そう思っていたが
リハビリ明けということで辞退となった 年齢や体力面、コンディション調整の観点から辞退者は出た
そんな中、候補メンバーが発表される
将大も入っていた
最終登録メンバーは28名
強化合宿に呼ばれたのは33名
怪我人が出た場合など考慮しての選出であったが
合宿後に5人が外れることが確定した
将大は今回も最年少
実績から言えば5人との当落線上にいた
そんな中合宿が始まった 「おーマー君」
将大が振り向く、もう1人振り向く
「え?あ、お前もマー君って呼ばれてるのか」
ソフトバンクの馬原もマー君と呼ばれていたため2人が振り向いた
何か別の名前が必要だという話になった
藤川が「田中はまさひろというよりまさおって顔してるよな」
なぜかみんなしっくり来た
この時から侍JAPANメンバーからは『まさお』と呼ばれる
ちなみにイチローからは数年後まで本名もまさおだと思われていた >>249
最終戦、勝たなければビリだったんだよ
引き分けでもビリ
劇的ビリ脱出だったのだ(笑) >>263
王監督最後の試合だよね
田中VS杉内で0ー0のまま延長突入、最下位決定戦とは思えないぐらい息詰まる展開だった
そして伝説の真ん中中央・・・ 原監督は選手たちにこう挨拶した
「北京のリベンジでもない、王座を守るわけでもない…もう一度世界一を取りに行くんだ」
次に代表候補合宿の目的と評価観点を伝えられる
「野手投手共に3月の時点で1番コンディションが良さそうな者を評価する。投手についてはボールへの適応力を確認する。
野手は守備の連携、本職以外の守備力も確認する。以上だ。さぁいこ!!」
これは北京五輪の反省点だ
コンディションが良くない中、やってくれると信頼関係での選考
ボールは適用出来ずに苦しんだ岩瀬、慣れないレフトでミスを連発してしまったGG佐藤
第二の彼らを生まないためにも検討された観点だった 投手陣の軸は日本のエース松坂大輔、昨年沢村賞の岩隈久志、岩隈と防御率タイトルを最後まで争った若きエースダルビッシュ有の三本柱
松坂の周りには人が集まった
岩隈は年も近くアテネ五輪で一緒にやったのをキッカケに関係が出来た
横浜高校の後輩で松坂二世と言われ西武でプレーした涌井
涌井と同級生ダルビッシュもつられ集まる
「まさお!」ダルビッシュに呼ばれ将大も輪に入る 山田ピッチングコーチからも松坂本人に伝えられていた
「エースはお前しかいない。投手陣をまとめてくれ」
松坂はどうまとめるか悩んでいたが
始まってみれば悩んだのがバカみたいだ
みんな松坂に自然と集まってきた
年上はマイペース渡辺俊介のみ
松坂世代の杉内藤川あとは年下だ
松坂より下の世代の野球少年にとって
甲子園の伝説、その後即プロで大活躍した松坂大輔はカリスマなのだ
将大も小学4年生で見た夏の甲子園は忘れることが出来ない憧れだった
いつか自分も松坂大輔みたいに…そう思って甲子園を目指しプロの世界に入ってここにいるのだ 合宿中は国際大会経験豊富な松坂から色々な情報が共有された
「ボールの違いはあるが、神経質になりすぎないこと。気にしすぎるとボールそのものが甘くなる」
「外国のバッターは当てに行くという考えがほぼない。どんどん振ってくるけど怖がることはない」
「サイン盗みもある。バッターの足の出し方をよく見る必要がある」
みんな食い入るように聞いた 野手はイチロー中心にまとまった
最年長は稲葉だがイチローとは地元が近くお互いに存在を意識しリスペクトをしていた
若手のプレッシャーにならぬようにとマスコミの注目もイチローが全て引き受けていた
チームの雰囲気は北京五輪の時より良さそうだ 将大はキャッチボール相手は同じチームの岩隈
横に来るのがダルビッシュ涌井
その横に松坂、藤川、杉内、和田が並ぶのが定番だった
将大は一球毎にダルビッシュに質問をしていた
ボールの離し方、タイミング、肘の使い方、変化球の握りコツなど聞けることをとにかく聞いた 将大は弟キャラとしてみんなのイジられ役だった
朝起きると布団がパンツまみれだったり
お茶とコーヒーを混ぜられたり
イタズラを仕掛けられて笑いを取っていた キャンプも終盤
実戦形式の練習では安定した結果を残した
当落線上ではなくなった
ボールの適応に苦しんでいたのは岸だった
山が高く乾燥した皮に指がかからず持ち味のカーブが決まらない合宿中ずっと苦しんでいた
投手陣からは岸、和田が去ることになった
和田は紅白戦でもキレの良いボールを投げていたがボール球が多く、球数制限のある大会に向かないのではないかという見立てだった
将大はメンバーに選出されることになった 大会が始まった
初戦は中国
どのスポーツ大会でも初戦は難しい
試合の空気、優勝狙いのチームは全開ではなく調整込みでプレーし行けるとこまで行くチームは全開で挑む
初戦は番狂わせが多い
大事な初戦は柱の1人ダルビッシュがマウンドに上がる 若干制球に苦しむも実力差のある中国をきっちり抑える
球数制限もあるため4回で降板
涌井への同級生リレー
山口を挟み場慣れのため将大もワンポイントで登板した
打線は5安打と苦戦したが4番村田のホームランなどで4点を取り初戦としては悪くないスタートを切った 1次ラウンド突破をかけた韓国戦
次のラウンドは駒を進める重要な試合ということで任されたのは松坂大輔
相手の先発は北京五輪で苦しんだキムガンヒョン
北京五輪での活躍はすっかり日本キラーとなっていた
逆に日本は韓国が初戦キムガンヒョンで必ず来ると読んでいた
対策はバッチリ!
序盤から大量得点14-2のコールド勝ちをおさめた
キムガンヒョンを打ち崩されたことは韓国側は誤算でまさかの展開だった 1次ラウンド1位決定戦またも韓国
今大会は敗者復活方式のトーナメントのため
同じ相手と何度もやることになっていた
岩隈が安定感抜群の投球を見せたが唯一の失点がこの日両チーム唯一の得点となり負けてしまった
WBC2009はここから日本と韓国の因縁の対決が中心に動いていく 舞台はアメリカに移る。調整試合を予定していたが中止になってしまう
2次ラウンドキューバ戦
前回大会決勝と同様松坂大輔が先発
調整登板は出来なかったがメジャーでプレーする松坂にとっては堅いマウンドは慣れたものだった
甲子園決勝、オリンピック、日本シリーズ、WBC決勝
注目される場には強い
初回抑えた後キューバの不自然な動きを察知した松坂はキャッチャーの城島に伝える
「コースがバレてる。アウトコース踏み込んできたらインの逆球投げます」
松坂は豪速球でねじ伏せるイメージを持たれがちだが
本人も自分は変化球投手というように器用な投手だ
リリースの直前にコースを変えることを伝えた
テレビで観てると逆球が多くコントロールミスに見えるがこれはバッテリーの作戦だった
松坂は完璧にキューバを封じ込む 打線は3回に集中打を浴びせ3点を取る
投手は7回から調整を兼ねて岩隈が上がり
馬原藤川と0を並べた
投手リーダー松坂大輔の経験が活き完勝した
次は2次ラウンド勝ち抜きをかけ三度韓国との試合となった 韓国は北京五輪の日本キラーキムガンヒョンが攻略されたが2試合目に先発し好投したポンジュングンを持ってきた
日本はダルビッシュ
立ち上がりから堅いマウンドになれないダルビッシュはストライクを取りに行ったボールを連打され3点を失う
打線はポンジュングンの前に静まり返った
終盤に一点を返すのがやっと
韓国に新たな日本キラーが生まれてしまった 分析担当として巨人で20年スコアラーを務め
伝説のスコアラーと呼ばれる三井が帯同している
大会方式と組合せから韓国とは何度か当たる想定をしていた
北京でやられたキムガンヒョンを軸に対戦すると考えていたためキムガンヒョンの分析に時間を割いた
北京ではストレートに狙いを絞ったがダメだったので
あえて大きく曲がるスライダーに狙い球をかえた
決め球は投げるカウントに傾向があったからだ
初戦にスライダーをよく見て目に焼き付け徐々に攻略していく想定だったが大量得点でノックアウトしてしまったことで、韓国はキムガンヒョンを今大会の軸から外した
ポンジュングンは先発リリーフなんでも屋だ
今大会はリリーフ起用のはずがイチローに憧れ51番を背負う彼は志願して日本戦に先発登板し好投
日本も韓国も机上の戦いと違う形になったが韓国には救世主のような形になった 日本が勝ち上がれば2次ラウンド一位決定戦、両チーム勝ち続ければ決勝戦で当たる
三井は韓国に勝つにはポンジュングンを攻略するしかない
そう悟った 決勝ラウンドへ後がなくなった
再びキューバ戦
先発は岩隈だ
前日ダルビッシュがマウンドの違いに苦しんだ
メジャー経験のない岩隈にも起こるのではないか
そんな緊張感が漂う中試合は始まった ダルビッシュと岩隈の1番大きな差は経験からくる引き出しだ
将大が入団する前二段モーション禁止になりフォーム変更を余儀なくされた
近鉄のエースは楽天のエースになるため昨年まで苦しんだ
様々なことを取り組んだ
その経験が活きた
堅いマウンドは踏み込みが浅くなると気付きほんの少し軸足にタメる時間を長くした
抜群の安定感
完投させたいぐらいの完璧な投球だったが
球数制限と先を見据え6回でマウンドを降りる
杉内が残り3回を抑えキューバに完勝した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています